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日本と築いてきた関係とその発展
サム・キャメロン 防衛部門 SVP

私は2004年5月にロールス・ロイス艦艇部門のサービス・ディレクターとして入社し、先日、入社20年を迎えました。前職では、主に防衛関連のプライムコントラクター(主契約社)で、エンジニアリング、民間向け事業、プログラム、事業開発などの職務に携わりました。2018年に、ロールス・ロイスの艦艇部門が防衛部門に統合され、現職である防衛部門のシニア・バイス・プレジデント(環太平洋地域担当)に就きました。特に日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドといった環太平洋地域のお客様に対応できるよう、現在東京を拠点にしています。

護衛艦いしかり(オリンパス搭載)

私と日本との関係は、1980年代まで遡ります。ロールス・ロイス入社後は、これまでの経歴を活かし様々な職務を通じて、産業界・政府機関との幅広いネットワークの構築に取り組んできました。日本は、ロールス・ロイス防衛部門にとって重要なお客様であり、現在、自衛隊(陸・海・空)と海上保安庁にエンジンの提供およびサポートを行っています。

KHI 神戸工場にて

これまでの60年間、当社の防衛部門にとって、多くの節目や功績がありました。一例として、約50年にわたる川崎重工業株式会社(以下、川崎重工)との関係が挙げられます。防衛部門における川崎重工との関係で最も重要な分野は、艦艇用ガスタービンエンジンです。1980年代に、海上自衛隊が護衛艦「いしかり」にロールス・ロイスのオリンパスエンジンを採用して以降、これまでに約200基の艦艇用ガスタービンエンジンを川崎重工と共に海上自衛隊に供給してきました。現在、海上自衛隊は、艦艇の主推進源としてロールス・ロイスのガスタービンエンジンを採用している世界最大のユーザーです(発電機を除く)。海上自衛隊は、12隻のもがみ型護衛艦(30FFM)及び12隻の新型FFM、そしてイージス・システム搭載艦プログラムに合計30基以上のMT30エンジンを採用しており、川崎重工とロールス・ロイスは、引き続き日本のお客様に製品を供給していきたいと考えています。もちろん協働していくなかで課題に直面することもありますが、今日まで続く緊密で対等なビジネス関係を通じて、より互いを理解・信頼し、各々の優先事項や文化的理解を深めることで、それを乗り越えてきました。

MT30ガスタービン

ロールス・ロイスの防衛部門は、日本における次の60年を見据え、日本の産業界のパートナーとともに、これまで自衛隊と築いてきた関係を維持、成長、深化させるためにとても重要な時期にあると考えています。海上自衛隊にとって、MT30の採用は、前述の艦艇だけでなく、現在計画中のものや更に高い出力を必要とする今後の艦艇に対しても、より幅広い能力を提供します。

GCAP「次世代戦闘機」実物大模型(2024 ファーンボロ国際航空ショー)

グローバル・コンバット・エア・プログラム(GCAP)は、私たちの航空自衛隊や防衛省との関係を、(広義の)製品を提供する側から、株式会社IHIなど日本やイタリアのパートナーとともに、2030年代中頃の運用開始を目指す将来の防空能力を提供する関係へと変えました。

ロールス・ロイスの防衛部門は、日本における次の60年も、お客様や産業界のパートナーとともに歩んで参ります。