次世代の戦闘機を開発するという共通の目的を持つ日英伊の3カ国は、真の国際プログラムとなるグローバル・コンバット・エア・プログラム(GCAP)を発表しました。ロールス・ロイスを含む英国の主要産業パートナーは、チーム・テンペストの下、GCAPに取り組んでいくこととなります。
この共同発表は、3カ国間の緊密な連携、そして次期戦闘機に対する英国の国際的なコミットメントを強化するものです。本プログラムは、2018年よりBAEシステムズ、レオナルドUK、MBDA UK、ロールス・ロイス、英国防省がチーム・テンペストとして行ってきた、次世代戦闘航空システム能力の研究、評価、開発を土台とします。
英首相は、英国の安全保障は、現在も将来も最も重要であり、脅威の一歩先を行くためにも防衛技術の最先端にあり続ける必要があると指摘しました。また欧州とインド太平洋の安全保障は不可分であり、日伊とのパートナーシップを通じて設計される戦闘機は、英国を含む同盟国を守るものになるとコメントしました。
ロールス・ロイス防衛部門のビジネスディベロップメント・将来プログラム担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントのアレックス・ジノは、「次期戦闘機の動力・推進技術開発に向けた日本やイタリアと築く前向きな機運を喜ばしく思います。2021年12月、エンジン実証機を共同で設計、製造、試験する目標を発表しましたが、この作業は実現に向けて順調に進んでいます。本日の発表は、当社が日伊との間で大切にしている長年の強固な関係を強化するものであり、このプログラムを通じて、協力関係が深まることを期待しています」と述べています。
GCAPは、日英伊3カ国に長期的な技術的、産業的、社会的利益をもたらし、次世代のエンジニアを鼓舞することが期待されています。英国の戦闘機産業は、国防と安全保障を支えるだけでなく、年間60億ポンドの経済・社会的価値も提供しています。GCAPは、何千もの英国の雇用を確保または創出すると同時に、かけがえのない戦闘機工学の技術を次世代に引き継ぐことができるのです。
英国の産業パートナーは、すでにIHI、三菱電機、三菱重工業、Avio Aero、Elettronica、レオナルドと協業関係を有しており、これを新たな共同開発関係へと進展させます。