ロールス・ロイスは、UltraFan®の技術実証機が完成し、試験準備を進めていることを発表しました。実証機エンジンは、本プロジェクトの大きな節目となる試験に向けて、組み立て工場から英国ダービーのテストベッド80に移されました。 最初の試験は2023年初頭に、100%持続可能な航空燃料(100%SAF)を使って運転される予定です。
ロールス・ロイス民間航空宇宙部門プレジデントのクリス・チョラートンは、次のように述べています。「UltraFan実証機が完成し、テストベッド80での試験準備が整ったことは、2022年を締めくくるにふさわしい出来事であり、このプロジェクトとそれに携わったチームにとって重要な節目となります。次の段階は、2023年に初めて100%SAFで試運転し、この技術が、より持続可能な飛行を支援できることを示すことです」
UltraFan実証機は、全く新しいエンジン設計に、今後数十年にわたる持続可能な空の旅を支えるための一連の技術を組み合わせています。ファン直径が140インチ(約3.5メートル)で、第一世代のTrentエンジンより25%燃料効率が向上しています。
UltraFanは、ネット・ゼロ航空への旅に向け多様なサステナビリティ・ソリューションを提供します。短期的には、UltraFan 開発プログラムから現行のTrentエンジンに技術を移転し、燃料効率の向上と排出量の削減を実現するというオプションがあります。長期的には、推力25,000~110,000lbまで拡張可能なUltraFanの技術により、ナローボディ機でもワイドボディ機でも燃料効率を最大10%改善できる可能性があります。
世界最大かつ最もスマートなテストベッドであるテストベッド80は、UltraFan実証機のサイズと技術的複雑さに対応するために特別に設計・構築されました。2020年の開設後、すでに何時間もの実験用エンジン試験を実施した実績を有しています。
UltraFan技術実証機プログラムは、英国の航空宇宙技術研究所とInnovate UK、EUのClean Skyプログラム、さらにLuFoとドイツのブランデンブルク州から支援を受けています。
写真はこちらのリンクからダウンロードください:https://flic.kr/s/aHBqjAjnbG
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