ロールス・ロイスは、防衛における先進的なサステナビリティプログラムである、「Tornado 2 Tempest(トーネードからテンペストへ )」に参画しています。これは、英空軍の旧型機である「トーネード」の部品を金属の微粒子に変え、3Dプリンターを使って小型コンセプトエンジンである「オーフュース(Orpheus)」の部品を製造するという、前例のないリサイクルイニシアチブです。
オ―フュースは将来戦闘航空システムプログラム(FCAS)の一部でもあるため、このプロジェクトは、同技術が次世代の戦闘航空プラットフォームであるテンペストに使用できる可能性を示すものです。テンペストは、ロールス・ロイスの戦略的イニシアティブ「Grow Combat」の要となるものです。
英国戦略司令部の国防支援組織による「国防における循環経済コンセプトメモ」に係る助成を受けたこのプログラムにより、英国の防衛産業およびサプライヤーが戦略的金属を入手しやすくなれば、国防省および国防全体に多大な利益をもたらすこととなります。
英国防省が保有するトーネードの予備部品や故障部品などの多くには、高品質の鋼鉄、アルミニウム、チタンなどの戦略的金属が含まれています。
プロジェクトチームは、ジェットエンジン圧縮機ブレードなど、チタンを大量に含むトーネードの部品を洗浄して微粒子化することに成功し、これを「原料」として3Dプリントされたノーズコーンと圧縮機ブレードを作成しました。3Dプリントされたノーズコーンはオルフェウス試験エンジンに取り付けられ、適性と安全性を実証するための稼働試験により良い結果を得ています。
チームはさらに素材の由来とライフサイクルデータの取得・記録による、デジタルプロダクトパスポートも実証しました。これにより、偽造材料の使用を防止するだけでなく、最適な素材の使用についての意思決定に役立ちます。
ロールス・ロイスの将来戦闘航空システムプログラム、サステナビリティ担当バイスプレジデントアンドリュー・イーディは次のように述べています。
「『Tornado 2 Tempest』 プロジェクトは、FCASサステナビリティ戦略および英国防省の防衛支援戦略に組み込まれた先進的なサステナビリティの原則を体現しています。
ロールス・ロイスは、循環型経済の実践と革新的なデジタル活用の分野におけるリーダーとして、低炭素かつデジタル対応ビジネスへの歩みを支えています。
本プロジェクトは、大胆で革新的なプロジェクトであり、国防省、産業界、中小企業の優れた連携によって、持続可能で技術的に高度なソリューションを実現できることを示すものとなっています」
ロールス・ロイスは、先日、英国防省の最高国防補給責任者(CDLS)より、前線へのサポートとその改善に対する献身と努力を称えるCDLS表彰を受けています。