Meet our customer - 全日本空輸エンジニア 曽田理恵さん

全日本空輸株式会社(以下、ANA)は、ロールス・ロイス民間航空部門が60年間お付き合いいただいている大切なお客様です。ロールス・ロイスのエンジンを搭載した飛行機を安全に運航していただくために、当社はANAの担当者と密接に連携しながら協業しています。そうした協業の一例として、オーバーホールの現場で生産技術業務を担当する曽田理恵さんをご紹介します。

フォッカーF-27 フレンドシップ(ダート搭載)

“私は、全日本空輸株式会社の整備センター 部品事業室 原動機マネジメント部 生産技術チーム リーダーとして、航空機エンジンのオーバーホール工場での生産技術業務に従事しています。生産技術というと製造業のイメージが強いかもしれませんが、オーバーホール工場においても「生産」が行われています。定期的な点検、不具合によって取り下ろされるエンジンは、1台毎にどのように分解、点検、修理および改修をすべきかエンジンメーカーであるロールス・ロイスと協議、決定しています。生産技術チームは、この決定に基づいて、分解、点検、再度組み立てという工程で1台ずつ「生産」し、確認された不具合の原因究明や発生防止方法の検討、必要に応じたロールス・ロイスとの協議を通じて、エンジンの信頼性の維持向上に貢献しています。オーバーホール工場特有の知見を基に、運航する航空機エンジンの信頼性向上につながる対策ができる事は責任も大きいですがやりがいを感じております。”

ロッキードL-1011 トライスター(RB211搭載)

“ANAの女性エンジニアとしては初めて、技術者養成の一環としてロールス・ロイスの製造拠点がある英国ダービーに2年間派遣されました。駐在以前は、使用中のエンジンの信頼性を維持向上するという観点で仕事をしていましたが、ダービーでの2年間では、どのようにエンジンが開発されるか、またどのような視点でアフターマーケットエンジンの信頼性の維持向上が考えられているのかを中心に知識を習得しました。英語でのコミュニケーションは上手く伝わらないこともありましたが、周囲の人の理解とサポートで業務を行うことができました。連邦航空局(FAA)、欧州航空安全機関(EASA)の規制に基づく開発や不具合分析の手法等に触れたこと、業務実施の過程で得られた信頼関係は、現在の業務においても活かされています。”

ボーイング787ドリームライナー(Trent 1000搭載)

“ダービーには、ヨーロッパはもとより世界各地からエンジニアが集まっており、ダイバーシティー&インクルージョンの環境を体感しました。また、インターンシップやアプレンティスシップ(実習生)制度により現場で学びながら働いている学生や、第一線で活躍する多くの女性エンジニアがおり、大きな刺激となりました。”

“エンジニアを目指す学生には、見聞を広めるため早いうちに海外へ研究に行くことをお勧めします。私の学生時代に比べると、今は格段に海外の大学への留学環境が整っています。目の前に機会があればきっとその時が行動するタイミングで、「自信がないから」や「基礎を身に着けてから」などの理由で逃さないで欲しいと思います。”