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JALエンジニアリングTrent XWBチーフエンジニア 馬目和人さん

日本航空株式会社(以下、JAL)は、ロールス・ロイスのTrent XWBを運用いただいている民間航空部門の大切なお客様です。当社のエンジンを搭載した航空機の日々の安全な運用のために、ロールス・ロイスとJALの担当者は密接な協業関係を築いており、特に、技術部門の連携は大切です。今回は、株式会社JALエンジニアリング エンジン整備センター 整備技術グループのTrent XWBエンジン チーフエンジニア 馬目和人さんをご紹介します。

英国ダービーのテストベッド80にてTrent XWB と

「私は、JALエンジニアリングのエンジン整備センター整備技術グループで、Trent XWBエンジンのチーフエンジニアとして働いています。不具合対策の検討や、エンジンの長期的な取り卸し計画の策定、エンジンの信頼性を維持向上し、安定的にエンジンを稼働させる業務を、当社のチームメンバーやロールス・ロイスの皆様と協力しながら行っています」

「当社はTrent XWBエンジンを国内線でも運用しており、それは珍しい例とも言えます。そのため、国際線で運用される際には見られないトラブルが発生する可能性がありますが、ロールス・ロイスのエンジニア、当社の整備部門が一丸となって、注意深くエンジンの状態を確認し、技術的評価を行っております。このような業務に携われることはエンジニア冥利に尽きると感じております」

「航空会社のエンジニアになったきっかけは、1985年の当社747型機が御巣鷹山に墜落したJAL123便事故です。2度とこのような事故を発生させないよう航空会社のエンジニアとして働きたいと思いました」

Trent XWBエンジン搭載の日本航空エアバスA350機
©2023 S J Byles

「私は2020年2月から2年間、ロールス・ロイスの製造拠点がある英国ダービーに駐在しました。ロールス・ロイスのエンジニアと働いて気付いたのは、私たち航空会社が常識だと思っていたことが、ロールス・ロイスのエンジニアでは必ずしも常識ではないということです。その逆も然りで、だからこそ日頃から密にコミュニケーションをとり、物事の背景や目的を丁寧に確認し共有することが大切であるということを学びました」

「航空業界に限らず、他の業界であっても、エンジニアの仕事を通じて世の中の問題を解決し、より良い社会へ変えていくことに貢献できます。何が問題なのかを認識するためには、エンジニアリングスキルとは別の知識や経験が必要になる場面もあります。ですので、エンジニアを目指す学生は、学生時代から自分の専門以外の分野にも触れておくことが大切だと思います。また日本と海外の文化の違いから、問題認識や解決手段が理解しがたいこともありえます。比較的時間の自由度の高い学生時代のうちに、海外の文化を経験する機会を考えてはいかがでしょうか」