ロールス・ロイスは、生産中のエンジンへの100%SAF使用に問題が無いことを示しただけでなく、新世代のUltraFan®エンジンのデモンストレーターにも使えることを証明しています。今年前半に行われたUltraFan®初試験は100%SAFで行われました。
今月末には、Trent 1000エンジンを搭載するヴァージン・アトランティック航空のボーイング787ドリームライナーで運航されるVS100便で、世界初の大西洋横断100%SAFフライトを実施する予定です。ヴァージン・アトランティック航空が主導し、英運輸省がスポンサーであるコンソーシアムには、ボーイング社、シェフィールド大学、インペリアル・カレッジ・ロンドン、ロッキー・マウンテン研究所が参加しています。復路は通常のジェット燃料を使用し、エンジンも航空機も技術的変更なしに、どちらの燃料タイプでも飛行可能であることを実証します。
IATA(国際航空運送協会)は、(従来燃料と混合しない)100%SAFのライフサイクルのCO2排出量は、従来の燃料の排出量より最大80%少なくなると見積もっており、SAFは、従来の燃料の代替として使用できるドロップイン燃料として、航空業界のエネルギー転換を支援する大きな可能性を秘めています。
ロールス・ロイスは、2050年までにネット・ゼロ飛行を目指す取組みにおいて、100%SAFならびに、この燃料で稼働する高効率の最新ガスタービンを組み合わせることにより、(目指している削減量)全体の約80%の達成に寄与できると推定しています。
ジェット燃料の国際標準化団体であるASTMインターナショナルは現在、ジェット燃料に最大50%までSAFを混合することを認めています。ロールス・ロイスが生産しているすべての民間航空機用エンジンは、すでに50%SAFでの稼働を認められており、今回の100%SAF試験の成功は、100%SAFでの商業飛行への実現をさらに後押しするものとなるでしょう。