ロールス・ロイス、イージージェットと世界初の水素を使った航空エンジンの試験実施

11月28日、ロールス・ロイスとイージージェットは、世界で初めて水素を利用した最新の航空エンジンの試運転を行い、航空業界におけるマイルストーンを打ち立てました。

この地上試験は、風力と潮力によって作られたグリーン水素を使用した初期コンセプト実証機で行われました。これは、水素が将来のゼロ・カーボン航空燃料になる可能性を証明するための大きな一歩であり、ロールス・ロイスとイージージェット両社の脱炭素化戦略の実現性を示すものとなります。

両社は、水素が安全かつ効率的に民間航空エンジンを駆動できることを実証するために、すでに2回目の試験を計画しており、将来的には飛行試験の実施を目標としています。

同試験は、ロールス・ロイスのAE2100-Aリージョナル航空機用エンジンを改造し、英国防総省ボスコムダウン基地にある屋外試験場で行われました。試験用のグリーン水素は欧州海洋エネルギーセンター(EMEC)から供給され、英国オークニー諸島エダイ島にある同社の水素製造・潮流試験設備で、再生可能エネルギーを使い製造されたものです。 

ロールス・ロイス社の最高技術責任者であるグラツィア・ヴィッタディーニは、次のように述べています。「今回の水素実験の成功は、素晴らしいマイルストーンと言えます。7月に発表したばかりのイージージェット社とのパートナーシップは、今回の画期的な成果によって素晴らしいスタートを切りました。私たちは、飛行の未来を再定義する水素が持つゼロ・カーボンの可能性の限界に挑戦しています」

初期コンセプト地上試験の分析の後、ロールス・ロイス社のPearl 15ジェットエンジンを使ったフルスケールの地上試験につながる一連のリグ試験を予定しています。

両社は2050年までのネット・ゼロ達成を約束しており、本パートナーシップは、国連が支援する世界的なキャンペーン「Race to Zero」に賛同したことを起点としています。