ロールス・ロイス、英バーティカル・エアロスペース社の全電動航空機に動力提供

ロールス・ロイス、英バーティカル・エアロスペース社の全電動航空機に動力提供

ロールス・ロイスの画期的な技術が、バーティカル・エアロスペース社(以下、バーティカル・エアロスペース)のフラッグシップ、都市型航空交通システム(以下、UAM:Urban Air Mobility)航空機に採用されました。ロールス・ロイスの電動システムは、2024年に認証取得予定の有人電動垂直離着陸機(以下、eVTOL)に搭載され、最大4人の乗客を乗せて時速200マイル(約時速320キロ)以上の巡航が可能です。

ロールス・ロイス・エレクトリカルにとってバーティカル・エアロスペースとの提携は、UAM市場での初の商業的合意となる非常に重要なものです。これまでの合意に基づき、パートナーと協力して実証プログラムを実施します。ロールス・ロイスは、電気推進システム全体のシステムアーキテクチャ、最新の100kWクラスの電気推進ユニットを含む電力システム、操縦をサポートする配電および電力監視システムを設計します。

ロールス・ロイス・エレクトリカルのディレクター、ロブ・ワトソンは次のように述べています。「バーティカル・エアロスペースの先駆的なeVTOL航空機に電力を供給する技術につき協力できたことを嬉しく思っています。新しい都市型航空交通市場は都市から都市へ人や貨物を移動する方法を変革する可能性を秘めています。今回の素晴らしい提携は、ロールス・ロイスが、この市場において、持続可能な全電源システムのリーディングサプライヤーになるという意気込みを反映するものです」と述べています。

バーティカル・エアロスペース社のCEOであるマイケル・サルヴェンカは次のように述べています。「ロールス・ロイスの経験豊富なチームは、深い専門知識と当社の先駆的なeVTOL航空機に電力を供給する最先端の電気技術を持っており、今回のコラボレーションを楽しみにしています。このコラボレーションはこれまでのロールス・ロイスとの協力関係の上に成り立っています。バーティカル・エアロスペースでは英国民間航空局(CAA)、欧州航空安全局(EASA)の安全基準認証を持った、世界をリードするeVTOL機を開発する体制が整いました」

ハンガリー、ドイツ、米国、英国をはじめとする国々の約150名のロースル・ロイスのエンジニアが、バーティカル・エアロスペースと共に、世界初の認証eVTOL機の1つを目指して開発に取り組みます。バーティカル・エアロスペースは英ブリストルを拠点とし、既に原寸大の複数のeVTOL試作機を飛ばしています。また、年内の飛行を目指すVA-X4機の組み立てを間もなく英国で開始する予定です。

飛行の電動化は、2050年までにネットカーボンゼロを目指すロールス・ロイスの持続可能性戦略の重要な部分です。ロールス・ロイス・エレクトリカルは、陸海空ならびに産業分野における持続性、効率性、静音性技術の開発に注力する専門チームです。

ロールス・ロイスはP-Volt開発に向けて伊Tecnamならびに大手航空企業との提携を発表しています。P-Voltは全電動で2つの電気モーターを持つ短中距離旅客機で、再生可能エネルギーを動力源とする汎用性の高い安全な航空機として設計される予定です。伝統的な航空機分野の技術は、一体型スターター発電機、補助電源装置、機上の電気システムのよりインテリジェントな管理を含め、より電化された航空ソリューションの開発に向かっています。

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