ロールス・ロイス、ビジネスジェット向けPearlエンジンの最新モデル発表

ロールス・ロイス、ビジネスジェット向けPearlエンジンの最新モデル発表

ロールス・ロイスは5月6日、ビジネス航空市場をリードするPearlエンジンファミリーの第3弾として、最もパワフルなPearl® 10Xエンジンをパリの空港で行われたデジタルセレモニーで公開しました。同エンジンは、ダッソー社の新しいフラッグシップ機であるFalcon 10X用に最適化されています。

ロールス・ロイスはビジネスジェット機市場をリードするエンジンサプライヤーであり、現在ビジネスジェット機3,600機以上がロールス・ロイスのエンジンを搭載しています。今回初めてダッソーのビジネスジェット機にロールス・ロイスのエンジンが搭載されることとなりました。Pearlエンジンファミリーの最新モデルであるPearl 10Xの同社の最上位機種への採用は、ロールス・ロイスがビジネス航空業界で最も評価されているエンジンメーカーであることを示しています。

ビジネス航空分野で最も効率の高いAdvance2エンジンコアを採用するPearl 10Xは、高性能低圧システムと組み合わせることで、18,000ポンドを超える優れた推力を実現しています。前世代のビジネス航空用エンジンと比較して5%効率が高く、優れた低騒音・低排出ガス性能も実現されています。市場をリードする出力と効率を組み合わせたエンジンとして、お客様やオペレーターが音速に近い速度で移動できるほか、空港へのアクセスが格段に高まり、超長距離の接続が可能となります。

優れた環境・技術性能

Pearl 10Xは、Advance2実証機プログラムで得られた革新的な技術と、実績あるPearlファミリーの特徴を組み合わせた世界トップクラスの環境性能を実現しており、高効率のブリスク・ファン、市場をリードする圧力比と6段のブリスクを持つ高圧コンプレッサー、超低排出ガスの燃焼器、2段のシュラウドレス高圧タービン、そして業界で最も効率的かつコンパクトな4段の低圧タービンを有しています。これらの一連の技術が、スピリット・エアロシステムズ社製の新しい超小型ナセルに収められています。

エンジンの開発は、ドイツのダーレヴィッツにあるロールス・ロイス社のビジネス・アビエーション・エンジン・センター・オブ・エクセレンスで実施されており、現在、100%持続可能な航空燃料(SAF)による運用を含む包括的な試験が行われています。

Pearl 10Xの新たな特徴の一つは、高度な積層造形法によって製造された3Dプリントの燃焼器タイルです。この先駆的な技術はAdvance2プログラムの一環として開発され、さまざまな試験が行われています。

Pearlエンジンファミリーはロールス・ロイスのインテリジェントエンジン・ビジョンの一環で開発されており、デジタル機能の進歩により製品とサービスの垣根を無くす未来を目指しています。Pearlエンジンファミリーは、高度な振動検知機能を備えた新世代のエンジンヘルス・モニタリングシステムに加えて、最先端の遠隔エンジン診断機能を備えています。また、双方向通信に対応しているため、地上からエンジン・モニタリング機能を簡単にリモートで再設定することができます。クラウドベースの分析、スマートアルゴリズム、人工知能は、お客様に一層優れた可用性とより大きな安心感を提供するために、ますます重要な役割を果たしています。

ロールス・ロイスの民間航空部門プレジデントのクリス・チョラートンは、次のように述べています。「本日は、ロールス・ロイスと、このプログラム実現に向けて力を注いできたPearlチームにとって非常に特別な日です。ダッソーが同社のフラッグシップ機であるファルコン10X向けに当社のエンジンを選定してくださったことを非常に誇りに思っています。当社の先駆的なPearl 10Xエンジンと一流のカスタマーサービスで、ダッソーが超長距離のコーポレートジェット市場でお客様に感動を与え続けられるよう、サポートしていくことを楽しみにしています」

卓越した信頼性を誇るPearlファミリーは、ビジネス航空業界で最も包括的なサービスプログラムである、ロールス・ロイスのCorporateCare® Enhancedによってサポートされています。同プログラムは資産価値と流動性を高め、メンテナンスコストのリスクを軽減し、世界のあらゆる場所で発生する不測の事態に備えて、お客様に財務上および経営上の大きなメリットを提供します。また、航空機の稼働率の向上、管理負担の軽減、完全なリスクの移転、ロールス・ロイスのサービスインフラの直接かつ優先的な利用、遠隔地でのサポートなど、顧客のメリットは多岐にわたります。