この度、ロールス・ロイスは、世界最速を目指す全電動航空機「スピリット・オブ・イノベーション」の地上走行を成功させました。今回初めて滑走路を走行したこの全電動航空機は、500馬力(400KW )の強力な電動パワートレインを動力とし、世界最速記録及び新世代の都市型エアモビリティを目指して開発された最新のバッテリー技術が用いられています。
今回行われた地上走行は、実際の飛行テストに先立って同機の推進システムの統合を確認する重要な試験となります。初飛行は春に予定されており、電動パワートレインと先進的なバッテリーシステムの組み合わせにより、フルパワー時には時速300マイル以上という、電動飛行の世界新記録を達成する予定です。
英ビジネス担当大臣ポール・スカリーは次のように述べています。「ロールス・ロイスのスピリット・オブ・イノベーションの地上走行は航空分野の新たな幕開けであり、春には初飛行が予定されています。世界最速を目指すこの革新的な電動航空機は官民連携の生み出す価値を象徴しているといえます。英国は2050年までにネットゼロカーボン達成を目指しています。研究開発への政府補助金を通じて、コロナ後によりよい環境を作るべく、この野心的目標達成に向けて航空宇宙分野の革新を支援しています」
この取り組みは飛行の電動化を加速するというロールス・ロイスの「ACCEL(アクセル)」プロジェクトの一環で、プロジェクトチームの主要メンバーには電動モーターと制御装置を製造するYASA、航空スタートアップ企業のElectroflightが参画しています。
ロールス・ロイス電動化担当ディレクター ロブ・ワトソンは次のように述べています。「飛行の電動化は、2050年までにネットカーボンゼロを目指す当社の持続可能性戦略の重要な部分です。初飛行と今年後半の世界記録達成に向けて取り組みを進めているACCELチームにとって、地上走行という素晴らしい節目を迎えることができました。電気技術の面から画期的で先進的なバッテリーと推進システムを搭載する航空機が、初めて電力を使って自走しました。このシステムならびに開発中の能力を通じて、ロールス・ロイスは都市型エアモビリティ市場に電力システムを提供するテクノロジーリーダーとしての地位を確立できるでしょう」
プロジェクト資金の半分は英ビジネス・エネルギー・産業戦略省およびInnovate UKとのパートナーシップに基づき航空宇宙技術研究所(ATI)より提供されています。
ATIのCEOであるギャリー・エリオットは次のように述べています。「航空宇宙技術研究所はACCELプロジェクトの共同出資者であることを誇りに思います。ACCELの目的はATI戦略の長期目標と方向を一にしています。つまり、英国が次世代排ガスゼロ推進のリーダーたるべく、心躍るような革新的技術開発に投資すること、そして高度な技術を必要とする職を継続的に支援し、英国に経済的メリットをもたらすことです。非常に難しい状況にもかかわらず、新しいマイルストーンを達成したACCELチームにお祝いの言葉を述べたいと思います」
空飛ぶタクシーのバッテリーに必要な特性は、「スピリット・オブ・イノベーション」のために開発されているものと非常によく似ているため、記録的なスピードを出すことが可能です。 ロールス・ロイスはACCELプロジェクトの技術を市場向け製品に応用していく予定です。今後、電動化戦略の一環として、モーター、パワーエレクトロニクス、バッテリーのポートフォリオを、一般航空宇宙、都市型エアモビリティ、小型コミューター機の分野に投入する予定です。
ACCELプロジェクトは2050年までにネットゼロカーボンを目指すロールス・ロイスの取り組みの一環であり、STEM分野でのキャリアを目指す若者のインスピレーションとなるべく、小学生向けにダウンロード可能な資料を提供しています。
地上走行の映像と画像はこちらからご覧いただけます。
https://www.flickr.com/photos/rolls-royceplc/albums/72157705298410174
vimeo.com/user/59211529/folder/3773944
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