ロールス・ロイス、初のビジネスジェット向け 100%持続可能航空燃料(SAF) 試験を実施

ロールス・ロイス、初のビジネスジェット向け 100%持続可能航空燃料(SAF) 試験を実施

ロールス・ロイスはビジネスジェットエンジン向けでは初となる100%の持続可能航空燃料(SAF)の試験を実施しました。今回の試験には、ドイツのダーレヴィッツで開発中の最新ビジネスジェットエンジンのパール700が使用され、その数週間前には英国ダービーで初めてジェット燃料を混合していないSAFを使用したTrent 1000エンジンの地上試験を成功させています。ロールス・ロイスは2050年までにネットゼロカーボンを達成する取り組みにおいて、業界の主導的役割を担う事を目指しており、一連の試験はこの目標の元に行われています。

本試験ではSAF100%が、そのまま利用できる完全なドロップイン燃料として、民間航空やビジネスジェット向けの既存のロールス・ロイスのエンジンに利用できることが再度実証され、こうした燃料の認証取得に向けた基盤が作られました。現在、SAFは既存のジェット燃料に50%を上限として混合使用する用途で認証を受けており、ロールス・ロイスのすべての既存エンジンにも利用可能です。

試験に使われたSAFは、低炭素燃料を専門とするカリフォルニア州パラマウント市のワールド・エナジー社によって製造され、シェル・アビエーションが調達しSkyNRGが輸送を担当しています。このSAF100%は、既存のジェット燃料と比較して、ライフサイクルにおける正味CO2排出量を75%以上削減する可能性を秘めており、将来的にはさらなる削減が見込まれています。

ロールス・ロイス ドイツのビジネス航空部門のチーフエンジニア兼エンジニアリングディレクターのヨルク・アウ博士は、次のように述べています。「持続可能な航空燃料は当社エンジンの炭素排出量を大幅に削減する可能性を持っています。この可能性とパールエンジンファミリーの優れた性能を組み合わせることで、当社のお客様はネットゼロカーボン達成に向けさらに大きく前進できます」

優れた効率性を誇るパール700は、ビジネスジェット市場では最も効率の高いアドバンス2エンジンのコアと、最新の低圧システムを組み合わせ、離陸推力は18,250ポンドを実現しBR725との比較では8%増となっています。出力重量比を12%、効率を5%向上させながら、騒音と排気はこのクラスのトップ性能を維持しています。

パール700はアドバンス2デモプログラムに基づく革新技術と、今日のビジネス航空業界を牽引するエンジンファミリーであるRB700エンジンの実績を活かしています。高効率の51.8インチのブリスク(統合回転翼)ファン、市場トップクラスの圧力比24:1を誇り6段のブリスクを有する高圧コンプレッサー、超低排出燃焼器、2段シュラウドレス高圧タービン、業界で最も小さく効率の高い4段の強化低圧タービンが採用されています。

高画質の写真はこのリンクからダウンロード可能です。https://www.flickr.com/photos/rolls-royceplc