未来の修理技術
今回ロールス・ロイスは積極的なエンジン点検を通じてこの問題を発見しました。Trent XWBの運用期間を通じてこうした点検が行われており、修理や交換を予定していないものを含め無作為に選んだエンジンの部品を点検しています。そうすることで、同エンジンの信頼性を担保しています。
エンジン部品がリアルタイムで動く様子をモデリングするため、デジタルツインにデータを入力し、部品がどのように摩耗するかを正確に予測し、発生前に問題を特定したり、保守整備の予定を変更したりしています。
デジタルツイン技術は統合ブリスクやTrent XWB-97派生型の効率を向上するブリスクの修理にも活用されています。これらブリスクは非常に高価で、損傷した場合交換が難しい部品です。ロールス・ロイスは英国の大学機関と協力し、損傷が発生した部分を再構築するためのデジタルツインとレーザー技術を開発しました。

この他、エンジンからより多くのデータを得られるような技術にも取り組んでおり、航空会社のエンジニアがエンジンの点検やオーバーホールを行う際、これらデータをより簡単に活用できるようにしています。具体的には、100枚以上のタービンブレード画像を取得し、数分以内に3Dの映像モデル構築できる技術などを実験しています。この技術は光を最適化して画像を撮影し、そのデータをシステムに取り込むことで、様々な運用年数のエンジン部品の性能について、より良い全体像が得られます。
この技術を保守・修理・点検(MRO)施設に備えることで、交換予定の部品からデータを詳細な点検前に取得することができます。