ロールス・ロイスのAIの歴史

ロールス・ロイスが、AI(人工知能)分野でこれまでの実績を活かし、どのように持続可能なテクノロジーの将来に向けた基盤を構築したのかご紹介します。

当社は30年以上にわたり、高度なデータ解析を駆使して見識を深めることで、テクノロジーの壁を乗り越え、新しい価値をお客様に提供してきました。

1980年代初頭にデータ分析技術を活用し、エンジンテストベッドでの計測への理解を深めたのを契機に、新しいデータ主導の取り組みを始めました。

1999年にジェットエンジン市場向けにAIの活用を本格的に始め、後にトータルケア・パッケージの基となったエンジンヘルスモニタリングと呼ばれる全く新しいサービスを提供し始めました。このサービスでは、航空機着陸後にジェットエンジンのデータを収集し、正確な保守やエンジン点検時期を予測することで、顧客がエンジンから得られる対価を高めるというものです。これはロールス・ロイスにとっても、何千億円もの巨大事業になりました。

航空分野でのAIの利用に加え、製造工場で基幹部品の品質管理チェックにロボットを活用するなど、産業用AIの活用では最先端を走っています。

また倫理プロセスを用いて、当社事業にとって倫理的にAI使用の適切性を担保し、信頼性プロセスを通じて、AIの下す決定の信頼性を担保しています。

この取り組みは2017年以降、弊社の全ての事業においてデータイノベーションを率いるR2 Data Labsが、データを用いたパフォーマンス向上や顧客価値創出、さらには低炭素社会において動力を生み出し、管理、提供する方法を変革する強力なデジタル文化を構築しています。

これが私たちの未来です。AIを倫理的枠組みに沿って事業全体で取り入れ、よりスマートな付加価値の高い人材活用をしていきます。データ活用の取り組みをさらに進め、小型原子力発電所や鉄道エンジン、マイクログリッド、データセンターのバックアップ電源などの製品性能を向上する方法を検証し、データ自体を低炭素のツールにしていきます。