製造に向けた作業の準備を始めると、あちこちから「家に3Dプリンターがある」、「職場に3Dプリンターがある」、「早く製造を開始したい」という声が集まってきました。ロールス・ロイスの社員だけでなく、その家族、友人も参加して、中には自分の家で24時間体制で製造してくれる人も出てきました。
製造活動が広がる中、フェイスシールドの設計や素材にバラツキが出ないよう仮想の製造ラインが立ち上げられました。また、必要な所にフェイスシールドが届くよう依頼の調整も行われました。地域毎の小さいグループを作ってサプライチェーンを短くし、ロジスティクスを簡素化しました。例えば、ランカシャー、バーノルズウィックの病院には、その地域のグループが製造開始後24時間以内に初のフェイスシールドを届けることができました。地元のグループという利点を生かして、病院、介護者など本当に防護具を必要としているところに届けることができました。
社員が互いに安全な距離を保ちながら多くのフェイスシールドを製造できるよう、一部の施設では3Dプリンターを工場に移動しました。多くの社員は在宅勤務しており、通常、こうした状況で製造ラインを構築するのは容易ではないと思われましたが、実際にはその逆だったのです。
活動を始めてみると、社内のコミュニケーション網を通じた情報共有や、ソーシャルメディアを通じた外部企業や同様の取り組みを行ってる人たちとのアイディアの交換が始まりました。サプライヤーからは素材が提供され、提携先からはフェイスシールドを必要としている医療施設の情報が提供されました。3Dプリンターのコミュニティは、フェイスシールドが安全かつ快適なものになるよう協力してくれました。