米国空軍C-130輸送機初飛行完了
※本リリースは2016年12月1日に英国で発表された英文リリース抄訳です。
2016年12月6日
ロールス・ロイスのT56型エンジン シリーズ3.5能力向上型を搭載した、米国空軍C-130H輸送機が初飛行を完了し、燃費の大幅向上、運航温度の削減、高高度性能の向上を実証しました。
一次飛行データでは燃費が約12%向上し、タービン温度が約100度以上低減したことが示されました。タービン温度低減によって部品寿命が延びるため、運用コストは大幅に低減されます。C-130Hは4基のT56型エンジン シリーズ3.5を搭載し、ワイオミング州シャイアンの第153空輸航空団(ワイオミング空軍州兵)にて初飛行が実施されました。
ロールス・ロイス 北米防衛部門プレジデントのフィル・バークホルダーは「米国空軍ならびにワイオミング空軍州兵の皆様には、T56型エンジン シリーズ3.5を搭載したC-130Hの初飛行を完了されたことにお祝い申し上げます。シリーズ3.5は任務遂行能力強化に向けて開発されたプログラムですが、燃費向上並びに運用温度の低下が達成できました。」と述べています。
ワイオミング空軍州兵のスコット・ライス中将は「シリーズ3.5によって、オンタイムのパフォーマンス、燃料の流れ、高度などの性能が確実に向上しました。維持補修の観点からもエンジンの能力と信頼性が向上し、本当に素晴らしいと思います。」とコメントしています。
ワイオミング空軍州兵計画要請部のケビン・キャンベル大佐も「12%以上の燃費削減、25%以上の航続時間延長により、今後は維持補修時間の軽減が期待されます。こうした投資はどのくらいの期間で回収できるかが問題ですが、この点についても非常に嬉しく思っており、5年程と見ています。」と述べています。
実証飛行のためワイオミング空軍州兵に割り当てられたC-130Hは、同空軍州兵のC-130Hフリート全体への改修プログラム導入を判断するため活用されることとなります。
米国立科学財団並びにニューヨーク州兵が運用するスキーバードLC-130Hも、米国空軍のC-130の中では初めてシリーズ3.5が導入されるフリートの一つとなり、極地におけるオペレーション・ディープ・フリーズを支援する予定です。
シリーズ3.5は、当社エンジンの実証済みの改善技術に基づくものであり、定期点検時に導入することが可能で、導入に際して機体や操縦方法を変更する必要がありません。
シリーズ3.5は米国海洋大気庁のハリケーンハンターWP-3D型機において、3,000時間以上の飛行時間を完了し、燃費性能の向上に加えて、現在米国空軍が検証中の要件と類似の性能メリットが実証されています。
現在、C-130ならびにP-3向けに承認、運用されており、インディアナポリスのロールス・ロイス施設では生産能力を強化しています。